水路紀行

隠された水路の魅力を発掘していきます。

石川県の水路の紹介(1)

先日ふらっと立ち寄った水路を紹介します。

石川県南部の水田地帯の水路です。

 

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これは、ここの水路水系の幹線水路です。1km程下流で大きな河川に流入します。水深は5~15cm程、流れが緩やかで砂泥が堆積しています。

 

水路の水面と隣接道路との差(水路壁面の高さ)は2m程もあります。人が水路に降りるには高すぎます。写真のように右岸の一部には柵がしてあります。水路に降りるための階段などはありません(ちなみに僕は、下に紹介する小水路を通って降りました)。親水性(水路の利用のしやすさ)という観点からは、全然評価できない水路です。昔ながらの水利用文化があまり継承されていなかったり、「環境」にたいする意識が薄い地域では、このような親水性の低い水路が多いようです。

 

次に、この水路に流入している排水路を見てみます。

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幹線水路と小排水路との間には、50cm程の落差があります。幹線水路から小水路に魚が移動することが出来なくなっています。小水路やそれに続く水田は、魚の産卵場所などとして貴重です。ここの水路の造りは、「生物」や「環境」、「生物多様性」といった観点からも評価することが出来ません。

 

それでは、どのような生物が生息しているのでしょうか?

タモ網を使って生物を採集しました。

 

魚は、タモロコとドジョウが採れました。

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ドジョウの写真です。5分に1尾程のペースで採れました。

ここのドジョウ。とても気になります。どの個体も写真のように、ヒゲが長くて尾柄が高いです。これはもしかして、外来種のカラドジョウではないでしょうか?カラドジョウは在来種のドジョウと大変似ています。見た目で区別するのはかなり難しいです。

 

カラドジョウのように在来種と区別しにくい外来種は、あまり気付かれずに分布を拡大していく可能性があります。駆除しようと思っても、在来種と区別しにくいのでやりにくいです。

 

最後に水路の底を手で探ってみました。

 

すると・・

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ドブガイ類がたくさん採れました。3分足らずでこれだけ採れました。これだけドブガイ類の密度が高い水路は珍しいです。ドブガイ類には見た目がよく似たヌマガイとタガイの2種がいます。これはどっちかな・・あまり自信がありませんが、どちらもいるような気がします。どちらにしろ、ここは希少な貝の生息地として重要です。

 

どうしてここにはこんなに沢山のドブガイがいるのでしょうか?これを解くには、水路の局所的環境だけではなく、この場所の「水のネットワークのつながり」を解明する必要があります。もし新しいことが分かったらまた報告します。